時の痕跡を受け継ぐ、呼吸する空間

長い年月が刻んだ痕跡を、決して塗りつぶさずに受け入れる。
一般的には、経年による漆喰の風合いを新建材で覆い隠してしまうことが多い中で、金沢おみそしる倶楽部さんでの空間づくりは、“時がつくった味”を大切に残すことを選んだ。

古きものが語る静けさと、新しい素材がもたらす清らかさが、ひとつの呼吸のように共鳴する空間を目指した。

静かな時間が宿る、金沢・東山の呼吸

漆喰の壁に残る微かな陰影、
磨かれた木の艶、東山の街並みに滲むように溶け込む外観。
それらが連なり、時の流れそのものをデザインへと昇華させていく。

新しさは古さの中に宿り、 古さは新しさによって輝きを取り戻す。
その均衡の上に、「金沢おみそしる倶楽部」は静かに息づいている。

金沢の伝統食である味噌汁を主役に据えた料理が提供される店内では、「和の食」と「空間の美」が調和するひとときを体験することができる。